長期留学報告会

Global Study Program
「自立心」「問題解決能力」「異文化理解」「語学力」を育む

本校からカナダへ1年間の長期留学を経験した生徒4名による「留学報告会」が行われました。報告会では、各自が現地での生活や学びを振り返りながら、多くの体験と気づきを共有してくれました。

人口約950人、英語とフランス語が話される小さな町に滞在した生徒は、スーパーとドーナツ店しかない地域での生活、そしてどこへ行くにも車が必要な不便さの中で、地域の人々との深い交流が生まれたことを語ってくれました。全校生徒約250人、うち99%が白人という学校で、日本人はわずか2名。幼稚園でのボランティアや地元フェスティバルの参加などを通じ、地域社会の一員として積極的に関わり、日本を紹介する場面にも多く恵まれたといいます。所属したサッカー部では全敗だったものの、バスケットボール部では年間MVPを受賞するなど、地道な努力と挑戦を重ねた成果も印象的でした。

一方、協定校プログラムでカナダ・バーナビー地区に留学した3名の生徒は、より都市的な環境で多国籍の仲間たちと学校生活を送っていました。選択科目が豊富な同地区では、ロボティクスやフードスタディ、ウッドワークなど日本ではあまり馴染みのない授業にも挑戦。4限制(1日4コマ・1コマ70分)のセミスター制の中で、英語力や自己管理能力を高めながら、アニメや音楽といった共通の趣味を通して交友関係を築いていった様子が語られました。

課外活動も充実しており、チリ人やメキシコ人とバンドを組んでコンテストに出場したり、ミュージカル『レ・ミゼラブル』にキャストとして出演したり、またアイスホッケーのチームで毎週末の試合に参加するなど、多様な活動に自ら飛び込む姿勢が印象的でした。中には「最初にホストファミリーに“ホッケーをやりたい”と伝えておいたら、すぐに環境が整った」と、積極的な意思表示の大切さも強調されました。

留学生活の中では、体調不良による苦労(40度の発熱後の授業遅れへの対応)や、治安・薬物への注意、英語での自己表現への不安など、困難も多くありました。しかし、それらを乗り越える過程で、生徒たちは「自立心」「問題解決能力」「異文化理解」「語学力」など、多くの力を身につけていったことを報告してくれました。

報告会の最後には、4名全員が「なぜ留学するのかという目的意識の明確化」「積極的に声を出す姿勢」「自分を支えてくれている人々への感謝」を大切にするよう、後輩たちへ力強いメッセージを送りました。

留学はただの通過点ではなく、自らの考えや価値観を問い直し、自分自身を成長させるきっかけとなります。そして「自分を変えられるのは自分自身の意思だけである」という言葉に、彼らの1年間の歩みが凝縮されていました。