原爆投下について考える
グローバル考現学では、1945年の広島・長崎への原爆投下について、高校三年生の生徒がライターとしての意識を持ち、関係者への取材や文献の読み込みを行い、自身の文章で記事化する能動的な学びの機会を提供しています。平和学習の観点に加えて、歴史、国際情勢、人々の暮らし、芸術作品など多角的な視点から分析し、文章化することで表現力を養っています。
7月10日、11日に行った夏の広島研修では、被爆者の方や広島平和記念資料館の館長、読売新聞広島総局の記者など、幅広い方々に直接お話を伺いました。お話の合間や夜には、宿泊ホテルのラウンジや喫茶店でも記事執筆を行い、現地の空気を感じながら学びを深めました。
初日の広島平和記念資料館への取材では、館長や学芸係長に2019年に完了した展示リニューアルの狙いや、被爆資料の寄贈を受けた際の遺族の方々への聴き取りなどについて伺いました。読売新聞広島総局では、総局長や記者の方から、広島・長崎における被爆体験の継承の課題や、取材する上で大切な心構えについて学びました。
2日目には、被爆体験伝承者の生田弘子さんから、引き継がれた被爆者の体験や原爆に関する歴史的事実、戦後の広島の状況についても伺いました。その後、被爆者の切明千枝子さんから被爆証言を聞き、最後には「平和に向けて自ら行動し、手繰り寄せ、決して離さないでください」とのメッセージをいただきました。生徒たちはこれらの経験を通して、被爆地の現状を深く理解し、「書き手」としても成長する機会を得ました。